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エヌ氏の会・林 敏夫「星新一氏とエヌ氏の会」
 星新一作品を初めて読んだのは、海外SF全盛期の1960年代長い翻訳小説が好まれていた時代でした。その中にあって、星作品は短く分かりやすい小説だったため、子供の読み物としてあつかわれた。翻訳SFファンは横行闊歩で大きな顔、星新一ファンは少数派で肩身の狭い思いをしていた。

 星新一ファンを求めて、星氏に許可なく、小冊子で個人誌「星新一語録」(1973年3月発行)を作り、SF大会で売りました。そうしたら予想以上に売れ、星新一ファンの多さを実感した。

 それに気を良くして、星作品研究の小冊子を4年間で五冊作り、星氏に送りました。許可無く無断で作ったにもかかわらず、送るたびに誌代と一緒にあたたかい励ましのお手紙が届きました。
そして、SF大会で多くの星新一ファンと知り合い、星新一ファンクラブ「エヌ氏の会」を作りました。(1975年会組織化)

 大阪・梅田阪急三番街{星の広場}にて、森 輝美、林 敏夫の両氏による最初の会合が行われた。

森「三年後に星コンを開きたいですね」
林「それまで会が、続いているでしょうか?」
森「せめて、三年間は続けましょうよ」
1974年、まだ寒さが残る春のことでした。

 それから四年後の1978年。星新一氏を主賓に迎え「第1回星コン」が開催された。星コンは、1991年「第10回最後の星コン」まで続いた。星新一氏には、星コンすべてにご参加ご協力をしていただきました。夕食会席上では、スピーチと新作・近況報告を話され、合宿所(二次会)では、ゲームに参加されたり、宴会費の補填用に、と持参された生原稿のオークションに「原稿料より高い!」とヤジを飛ばし、参加者を笑わせた。
 座布団の上にゴロン、と一眠りをしたあと「ビールが無いぞ!」と言って騒ぎ、賑やかな時間でした。

 今、思い出しても懐かしく目に浮かびます。最高のぜいたくな時間を過ごすことができ、星新一先生。ありがとうございました。

バックナンバー
望月一扶「映像的星新一論」(2012.01)
枡野浩一「ショートショートとショートソングと」(2011.11)
和田誠「ご対面」(2011.10)
井上雅彦「ライオンと象とくまちゃん」(2011.07)
山本孝一「結婚は人生の酒場である」(2011.05)
豊田有恒「星新一の不思議」(2011.04)
御影たゆた「星コーチ」(2011.01)
大澤徹訓「第三の師匠」(2010.12)
瀬名秀明「父を書く」(2010.11)
眉村卓「星新一のショートショート」(2010.9)
石川喬司「〈神様〉の電話」(2010.8)
高井 信「20歳の夏」(2010.3)
江坂遊「星の光り」(2009.12)
浦沢直樹「星新一と私」(2009.8)
大槻ケンヂ「ボッコちゃんを読み直して『中学生からやり直せ!』」(2009.6)
とり・みき「ホシヅルの日」(2009.1)
タモリ「星新一先生が泣いた夜」(2008.12)
新井素子「星新一氏のショートショート」(2008.11)
筒井康隆「星さんについて、言い忘れていたことなど」(2008.09)
小松左京「星新一さんについて」(2008.08)
星マリナ「眠らない家」(2008.07)

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