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 寄せ書き 
村上岳「新潮文庫の『ボッコちゃん』の表紙に描いてある小さい人形がボッコちゃんだと思っていたけれどたぶん違う気がする」

日経「星新一賞」グランプリ受賞者
 グランプリの人です。

 先日、森鷗外記念館に行ってきました。 そこに展示されていた家系図に「星新一」の文字を見つけまして。
 こんなところに血縁関係があるんだと思い、一緒に来ていた人にそのことを教えると、同じように驚いていました。

 すごいですよね。

 何がすごいかって、「星新一」という人物が誰か、説明不要で伝わってしまうところ。
 これは誰に聞いてもだいたいそうで、星新一という人が何者で、どんな作品を書くか、ほとんど全員が知っている。 そのうえ、ほとんど全員が作品を読んだことがあって、ほとんど全員が口を揃えて「好き」ないし「好きだった」と言う。
 ちなみに僕は、人類滅亡後に別れの言葉を流す機械の話が好きでした。

 例えば、モーツァルトの名前を知らない人はそういないと思うけれど、モーツァルトが嫌いな人は多分いるし、モーツァルトの曲を聞いたことない、って人もそれなりにいるはず。 詳しくないので知らないですが。
 もちろん星新一先生を知らない人も、星新一作品が大嫌いな人もいるんでしょうけど、僕のまわりでは見たことがない。 嫌い、という人がなぜ嫌いになるか、うまく想像することも難しいのです。

 なんででしょうね。
 多分、一つの話が短くて、一つの本の中に何話も入っているから、誰でも一個くらいは好きな話に出会えるってことなんじゃないでしょうか。 読むのも楽だし。
 家の本棚の一角を星新一作品の文庫が埋めていて、中学生のとき、勉強時間中に親の目を盗んで読んでいました。 見つかると怒られるので、足音が聞こえたらすぐ片付けなきゃならないんですけど、そうやって突然切り上げるのにあの長さが丁度いいのです。

 僕は星新一先生が亡くなったあとに生まれたので、それこそ星の数ほどもありそうな、シンプルで面白い作品群を、誰かが書いたもの、というふうにあまり捉えてこなかった気がします。 むしろ、昔からある、それ単体として存在するもの、という感じ。 それも、文学とか、そういうジャンルから離れたところで、あくまで「星新一」という大きな集合、というイメージ。伝わるでしょうか。

 共感されるかはともかく、これほど単純に、面白いから、という理由で読まれている作品もないように思うのです。
 僕もそういうものを作りたい。 世の中にはいろんな評価軸がありますけど、ただ面白い、それだけで手に取られる作品が最強だと思っています。

 以上です。
 コロナでしんどい世の中ですが、みんなで生き延びましょう。


2021年7月

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